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運命の出会い5☆~父への報告

4ヶ月ぶりに沖縄に戻った。
沖縄で行なわれるアクターズのコンサートの手伝いをする事になっていた。コンサートのリハに立会い、本番は音響、照明についた。そこには4ヶ月前まで教えていた沖縄の生徒達がステージで歌い、踊っていた。でも不思議と全く自分とは関係のない人たちのように見えた。何年も共に過ごしてきたはずなのに...チーフインストラクターでなくなった私はきっとあの子達にとってもうどうって事ない存在だったのかもしれないと思った。ひがみですな...

沖縄に戻ってみて、私の気持ちはさらに揺るぎないものになった。
もうここに私の居場所はない。
いや、私のいたい場所ではもうないと。

コンサートが終わった翌日、私は父に連絡を入れた。
「話したい事があるので家に行っていいですか?」
ホテルから父の家に向かった。
アクターズに入学した11歳の時から父の事は家でも「校長」と呼んでいた。そしてこの頃は「会長」になっていたので会長と呼んでいた。私たちは親子としての時間より師弟としての時間の方が長かった。11歳の頃から私の中で「パパ」という存在はなくなっていた。

父の家に到着し、父の向かいに座った。
「今日は会長としてじゃなく、父親として私の話を聞いてほしい。」と切り出した。
父は少し驚いたようだが、まさか私が辞めるなんて話をするとは夢にも思っていなかったのだろう。
「いいよ。なんだ?結婚か?妊娠でもしたか?」
まぁそう思われても仕方ない...

「私、アクターズをやめたいんです。やめさせてください。」
まっすぐ父の目を見て伝えた。
私は今でもそう伝えた時の父の顔に一瞬表れた傷ついたようなひきつった顔が忘れられない。
「もう決めたのか?」
「はい、もう決めました。私はここにいたらどうしても会長の背中ばかり見つめてしまって、自立できない。パパ、一人の父親として娘の自立を喜んでくれる?」
19年ぶりに父を「パパ」と呼んだ。
私の中で師弟関係から親子関係に戻るためのケジメだった。

父は「もちろん。ただ、俺はお前を1年くらいで呼び戻すつもりだったんだよ。そしてまた沖縄の生徒達をお前に任せるつもりだった。少し苦労してもらいたかったんだよな。」
さみしそうに父が言った。

「パパ、私ね、やりたい事が見つかったの。私はダウン症の子達のためのダンススクールを自分で始めようと思ってる。」
それを伝えた瞬間さっきまでの父のさみしそうな顔は一変した。
「そうか!!!それは素晴らしい事だ!なんだそういう事か。それなら俺も全面的に応援するよ!よしこれから生徒達のとこにも行ってちゃんと伝えよう。みんなでお前をちゃんと仲間として送り出すよ!」

私が父を裏切って出て行くのではなく、大きな目標のために出て行く。父にとってはそこには大きな違いがあったのだろう。

そして私は父の車に乗り、一緒に生徒達の待つスクールに向かった。

つづく




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